FC2ブログ
--------

スポンサーサイト




上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




ランキングに登録しました。
良かったら、クリックして下さい。


2008-08-31

ルーゴ大統領のサラリー




 「時事斜断」                           坂本 邦雄

 又々ルーゴの話しになるが、去る15日は予定通り元司教フェルナンド・ルーゴの大統領就任式が盛大に執り行われた。約61年間に亘った保守政権から中道左派への前例の無い民主的政権交代の実現で世界の注目を浴びた。当日ルーゴ大統領は既にトレードマークになっているノータイ、サンダルの清貧を象徴するルーゴルックで叙任式に臨んだ。そして、就任演説では「本日を以ってパラグアイは汚職にまみれた専制政治と決別し、日々徐々に新生国家を築いていく為に努める」と誓った。就任式場の国会前の広場に集まった支持者数千人は盛んにエールを送った。

 なお、ルーゴ新大統領は就任前から約2千万ガラニーに及ぶ大統領の月給を貧困層の為に返上する事を宣言していて、心ある閣僚や高級官吏に率先、垂範たらしめた。此の世にも稀なるルーゴの声明を聞いた街の単純なオバチャン達は、「アジェパ・コラソ・ポラコ・ルーゴ!!」(グヮラニ語で、何と貧者思いのルーゴさんだろうか!!)と感激し涙を流した。此れが先ずはルーゴの大衆迎合主義に依る一般の人気である。

 然し、例えば大統領選挙戦で副大統領候補の指名をフェデリコ・フランコ氏と争った青党のカルロス・マテオ・バルメリ氏(最終的にイタイプ水力発電所パラグアイ側総裁に就任)はルーゴ大統領は各自の任意に任せた示唆をしたもので、「私は必要ならば、事実自分の給料を辞退するのに吝(やぶさ)かではない」と語った。なお、ルーゴ大統領との関係が既にギクシャクしている当のフェデリコ・フランコ副大統領は、「自分には未だ養う家族もあり、又色んな事情でそう簡単にサラリーを遠慮する訳には行かない」と明言している。

 処が、ルーゴ大統領のサラリー返上声明は大変バカらしい人目を惑わす甘言だと言う説もあるのである。何故ならばパラグアイ人には、つまり有償労働の原則の理念が  存在しないので、此れを起点に物事を考察しなければならないのである。要するに概念的に言うなれば、労働は国民の社会的及び経済的権利であり一国の富裕並びに経済の基礎を成すものである事が良く理解されていないのである。

 勿論乍らルーゴの発言があった後、誰しも大統領の規範に追随を表明する者は 未だ居ない。前述の通りフランコ副大統領は家族の為にもサラリーの返上はしないとハッキリ言い切ったが、正当な給料の請求権を明快に主張したものに他ならない。
 
 さて、給料棄権を宣言したルーゴ大統領は、其れでは何で食って行くのかと言う点がどうも解らないと巷のスズメ達は騒いでいる。相当な貯金でもあるのか?不動産があるのか、其の地租は忠実に払っているのか?誰か友人の世話にでもなるのか?幾多の寄付金や寄贈品に頼るのか?等々の邪推は絶えない。元々聖職者出身のルーゴ大統領は清貧を旨とし、質素な生活には慣れていて自分でも大した金は必要としないと語っている。結論として、正に此の度大統領に就任したルーゴ元司教は、今度は公人としての 一挙手一投足が公に問われる立場にあり、又市民も其の解明を求める権利があるのである。最後にもう一つの疑問が残る。即ち、大統領の自由裁量に任される年間約20億ガラニーに及ぶ機密費は如何に取り扱われるのか?、と云う事である。





ランキングに登録しました。
良かったら、クリックして下さい。


theme : パラグアイ
genre : 海外情報

tag : 2008年8月31日号 フェルナンド・ルーゴ

2008-08-15

八月十五日雑録




「時事遮断」
                                   坂本 邦雄


 聖母マリアの昇天祭に当たる8月15日(金)はパラグアイ共和国首都アスンシオン市の建設471周年記念日である。其の正式な名は聖マリアに因んで、“La Muy Noble y Leal Ciudad de Nuestra Señora Santa María de la Asunción ”(高貴極まりない忠節な吾が敬う聖母マリアのアスンシオン市) で、丁寧に読み上げると日が暮れる様な長ったらしいものである。其の創設者は、此れも又長い名前のフアン・デ・サラサール・イ・エスピノサ・デ・モンテロス探検隊長でアスンシオン市は、初めは南米南部地域のスペイン侵略の第一線基地として築かれた堡塁だったのである。  植民地時代は此処からブエノスアイレス市等のラプラタ流域各地の多くの都市が開かれて行ったので、アスンシオン市が歴史で「Madre de Ciudades」、即ち“都市の生みの親”と言われる所以(ゆえん)である。

 最近の国勢調査統計総局(DGEEC)2006年度の資料に依れば、アスンシオン市の人口は凡そ515.662人で、サン・ロレンソ、ランバレ、フェルナンド・デ・ラ・モーラ、カピアタ、ルケ、マリアノ・ロケ・アロンソ、ニェンビィ、ビリャ・エリサ及びサンアントニオの各近郊都市を含むGran Asunción (グラン・アスンシオン) と呼ばれる首都圏の人口は約160万人に及ぶ。なお、アスンシオン市の面積は117平方キロメートルで、標高は海抜43メートルである。因みに、8月15日はパラグアイの現行憲法第229条で大統領の就任式挙行日に制定されていて、今回はフェルナンド・ルーゴ新大統領が国会議長から顕職(権威)の象徴たる懸章と権杖を享けて叙任の宣誓を行うルーゴにとっては日本晴れならぬパラグアイ晴れの佳き日である。処で、同憲法第235条、第(5)項で、“宗教、宗派の如何を問わず聖職にある者”は、大統領又は副大統領に立候補する資格はない事が明記されているに拘らず、ルーゴ退職名誉司教は次期 大統領選挙に出馬を宣言し、政界に身を投じた。此れには当初より各方面で色んな取沙汰があり、CEP・パラグアイ司教協議会やローマ法王庁でも、ルーゴが要請した特免の取り扱いに苦慮したのは未だ記憶に新しい事である。

 然し此の問題も、去る7月30日にローマ法王使節(大使)オルランド・アントニニ司教がAPC(改革の為の愛国連盟)の本部でフェルナンド・ルーゴ次期大統領と面会し、ローマ法王ベネディクト16世からの特免承認の通達を正式に交付し最終的に解決した。此れはカトリック教会でも前代未聞の聖職者在家帰属を許した処置であり、世界でも大きな反響を呼んだ。詰まり、ローマ法王庁は深慮の上、ルーゴを次期大統領に選んだパラグアイ国大衆の“叫び”を聞いて、ルーゴ元司教の身分還俗を許したもので、大統領職を完全に5年間務め上げた後、本人の意思又はヴァチカンの裁量次第では元の聖職に復帰が認められ得ると云うものである。然し、其の間の身の立ち振る舞いが大切で、下手に女性の誘惑に負けて妻帯でもしたら永久に元の聖職には戻れない。(或いは本人は却って其れを望んでいるかも)。  さて、此の15日(金)は、いよいよ待望のフェルナンド・ルーゴ新大統領の就任式である。此の聖職者出身の異例なパラグアイ国第47代目の大統領叙任は此れ迄にない人気で、歴代の前任 大統領の何れの就任式をも上回る盛大さで各国の注目の的になっている。

 新旧大統領引継ぎ行事の一切を取り仕切る大統領府のエンリケ・ラミーレス儀典局長 (大使格)に依れば、招待した90ヶ国の中で出席を確認して来た首脳は11人で、中でも思い掛けなかったのはアフリカのギニア共和国の独裁者Teodoro Obiang Nguema大統領で、其の他はCristina Fernández(亜国)、Evo Morales(ボリビア)、Luiz Inácio Lula Da Silva(伯国)、Michelle Bachelet(チリ)、Rafael Correa(エクアドル)、Manuel Zelaya(ホンジュラス)、Daniel Ortega (ニカラグア)、Ma Ying-jeou(台湾)、Tabaré Vázquez(ウルグアイ)とHugo Chávez(ベネズエラ)の、21世紀社会主義を唱道するラ米の左派各国大統領である。なお、スペインは国王の名代としてFelipe de Borbón皇太子が来パする。然し、EU・ヨーロッパ連合からは何れの構成国元首も出席はしない。コロンビア、キューバ、ペルー及びパナマは夫々(それぞれ)副大統領を派遣する予定である。此れ 以外は外務大臣か又は現地駐在大使が代表で式典に参加する。

 とにかくパラグアイとしては、万年与党コロラドから野党連合への歴史的政権交代であり、然も世界でも始めての元カトリック聖職者の大統領就任式とあって見れば、国際的にも少なからぬ関心事である。政府当局は此の大祭典の警備体制に万全を期し、国警は実動要員約3.000人を各要衝に配置する。なお、今回の式典経費は諸外国代表要人の航空賃(自費)は別とし、ホテル代、移動費、警備費、事務費等々で大略5億ガラニーの予算を組んでいる。

 本紙読者の方々が此のコラムを御覧になる頃は、“新調”のフェルナンド・ルーゴ大統領は既に就任し、鋭意重責の政務に就いている筈である。而して、ルーゴ新政権の真価が診断されるのは、ルーゴ自身が約束した初期100日の試験期間である。此れ迄の閣僚人事等を見ても  市民は必ずしも余り合点が行かない人選である。万事は“御手並み拝見”であるが、此れ迄にも 大分草臥(くたび)れた国民は“暗中模索”で、間違えば又、やり直すと云った時間の空費はもう真っ平御免なのである。異色の新政権に満腔の祝意を表したいが、此処は新生ルーゴ政権が期待に報いた善政を施して貰いたいのは国民の切なる願いなのである。





ランキングに登録しました。
良かったら、クリックして下さい。


theme : パラグアイ
genre : 海外情報

tag : 2008年8月15日号

2008-07-31

権利の強要、義務の忘却




  「時事斜断」                       坂本 邦雄

 来るべきルーゴ政権の発足は、パラグアイの画期的な新政治時代の幕開けを意味するもので、期待の国民生活の実質的な改善・向上に大いに応えなければならない。此の切実なる市民の望みは、各階層の要望を今迄になく広く世に表現し得る格好の雰囲気を醸(かも)し、各自各様に自然法、実定法、人権擁護法、環境保全法等々の権利を今こそはと夫々が唱えるのである。然し殆どの者は、権利を主張するのは良いが、其れに対応する義務が必ず伴う事を忘れているのである。

 物事はルーゴ新政権にとって決して容易ではない。パラグアイは此れ迄に長らく社会、経済、政治、教育、文化等の各面で幾多の慢性的な問題を引きずって来た。故に此れ等の具体的な解決を早急に求める国民の気持ちは良く分かると言うものだ。凡そ40%の市民は貧困に喘ぎ、完全失業者又は潜在失業者は何百万人にも及ぶ。10人の児童の中6人は初等教育すらも終えず、地方の病院は医薬品、医療機器や医師も充分に揃っていない現状である。
   
 農政に至っては、政府は農地改革の名に於いて多くの農民入植地を開いたが今では放棄状態に在り、狡賢(ずるがしこ)い農民運動指導者は其の脱耕地を買占めて、他に転売しては金儲けすると言った腐敗の仕組みである。 行

 政機関は拙劣で、賄賂や汚職は日常茶飯事であり、最近の世論調査では現ニカノル政権は嘗ての悪評高かりしワスモシやゴンサレス・マキ各政権を遥かに凌駕する腐敗政府であると言うのが国民の認識である。なお、土地や住宅の取得、悪官僚の更迭(こうてつ)或いは越権行為の廃絶、治安の改善、雇用の創出や賃金のベースアップ等を求める社会階層の騒々しいデモ運動が毎日の様に繰返されている。正に恰(あたか)も水道の蛇口を全開したが如く山積の欲求が噴出した格好で、未だ就任もしていない次期政権に人々は寄ってたかって色んな注文を付けるのである。

 斯かる形勢の平衡を取戻し且つ公正な社会情勢を保つには、市民側に於いても公民としての義務を守る固い意志が求められる訳で、国家の改革に一役尽くす奉仕精神が肝要である。今後の新為政者は、確かに此れ迄の歴代の悪政の遺産の矯正に当たるべき重大な責任を負うもので、其れが仮に如何に善政を果たしたにしろ、政府は国民の期待の僅か一部分を満たせるに過ぎず、諸問題全ての解決を図るには日常国民が海賊品及び密輸品の購入やオーバインボイスなど幾多の悪習を廃し、正規の伝票を店先で要求し納税義務を全うする等の身近な処から正しい国法の遵守に協力しなければならないのである。

 更には、政府機関は水増し雇用や温情人事を全廃し、適材適所の人材登用を鉄則とすべきである。又は水道、電力等の公共サービスの闇利用(接続)、選挙汚職(票の売り買い)或いは公務員の買収等を厳に取り締まり、街路及び公道での理不尽なデモ行為や交通遮断を以って迷惑を掛けない様に公衆の権利も尊重し、且つ労働者には正当な報酬が保証されなければならない。

 而して我々の期待するパラグアイの新生社会の一方の支えはルーゴであり、もう一方の更に 重要なる支えは国民であって、此れは片や単なる権利だけに止まらず、片や果たすべき義務を以って構成される車の両輪である事を忘れてはならない。

 このように述べると如何にも理想論に終わる話しに聞こえる。ルーゴ新政権の船出は後半月に迫っている。巷のスズメ達は中々喧しくてルーゴは6ヶ月も保たないだろうと云う極論もある。確かに楽観と悲観が相半ばする様相で予断は許されない。パラグアイの前途に幸あれと願うに尽きる。
 




ランキングに登録しました。
良かったら、クリックして下さい。


theme : パラグアイ
genre : 海外情報

tag : 2008年7月31日号

プロフィール

Nikkei Journal

Author:Nikkei Journal


日系ジャーナル
南米・パラグアイで1980年に創刊されたパラグアイ唯一の日本語新聞社です。毎月2回、15日と30日に発行しています。
(国内・日系社会ニュース。コラム、連載記事、読者欄。)



お問い合わせ先:
Choferes del Chaco esq/ Jose Marti 1791
Asuncion - Paraguay
Tel:(595-21) 600 391

海外にも日系ジャーナル紙をお届け致します。
購読/広告をご希望の方は電話/メールフォームにてお気軽にお問い合わせ下さい。

カテゴリー
最近の記事
月別アーカイブ
FC2カウンター
Welcome
リンク
人気ブログランキング


にほんブログ村 海外生活ブログ 中南米情報へ

にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ
ブログ内検索
アスンシオン衛星写真表示
パラグアイの首都アスンシオンの衛星写真です。 プラスでズームアップ、マイナスでズームアウト、矢印で移動出来ます。
タグ

休憩室 パラグアイ フェルナンド・ルーゴ 2009年5月31日号 2009年新年号 2008年8月15日号 2008年8月31日号 政治 2008年5月31日号 2008年9月30日号 2008年10月15日号 2008年6月15日号 2008年10月31日号 2008年7月31日号 2008年7月15日号 2009年3月15日号 2009年4月15日号 2009年5月15日号 2008年5月15日号 2008年4月30日号 2008年4月15日号 2008年6月30日号 2008年9月15日号 2009年2月15日号 2008年11月30日号 2008年11月15日号 2008年3月31日号 2009年4月30日号 2009年3月31日号 2009年2月28日号 2008年12月31日号 2008年12月15日号 経済 原油高騰 ステビア 中国 2008年新年号 2008年2月29日号 ウルグアイ 2008年1月31日号 ブランカ・オベラル イグアス ブラジル 2008年2月15日号 年頭の言葉 オイスカ 2008年3月15日号 電気料金 国際NGO 日系社会 イタイプ発電所 北京五輪 ミチオ高倉 海外食糧生産基金設立基本構想 適正価格の要求 海外食糧生産危機 草の根・ラプラタ流域再開発研究会 大豆 パラグアイ大統領選 天然ガス ウラン 金鉱 石油 カスティグリオニ 日本の食料自給率 ストロエスネル サブプライムショック 自然と共生する生き方 女性政権 殺人ギョーザ アメリカ 持続可能な発展 もったいない 移住者 南米 イタイプ・ダム公団問題 パラグアイ徳洲会医療福祉財団 EU  教育 メルコスール マキラドーラ アディダス製品をパラグアイで製造開始 地震 ブログの移転 パラグアイ産牛肉 サイフケータイ 骨無し牛肉/世界輸出国上位20国 大豆生産国/世界ランキング 大統領就任式 ダイヤモンド発見 2008年2月28日号 ジャトロファ ノーベル経済学者 成人式 食糧危機は歴史的チャンス ブラジル100周年 皇太子 次期政権 世界の食糧提供国 ハブ空港 ドル安 大統領選 大統領選挙2008 厳しくなった車検制度 日本がコワレル~ フリーメーソン 大統領候補暗殺 食糧安保体制 黄熱病 解放の神学 貧農対策 IPhone 商工省 小規模製造業向け工業団地のメリット バイオガス 携帯 大統領選結果 2009年6月15日号 大統領選挙結果 宗教者ルーゴ新大統領 ハイテク製品組み立て 

RSSフィード
最近のコメント
最近のトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。