--------

スポンサーサイト




上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




ランキングに登録しました。
良かったら、クリックして下さい。


2009-05-15

悪夢の復帰




     「時事斜断」
                                   坂本 邦雄


 去るメーデーの早朝、嘗てはストロエスネル政権の魔物として恐れられていたサビノ・アウグスト・モンタナロ元内務大臣が亡命先の中米ホンジュラス国から突然20年振りにTACA航空便で帰国し、未だ 目も良く覚め遣らぬ多くのアスンシオン市民を驚かせた。テレビで見る限り、当時はストロエスネル政権下で権勢を欲しい侭にした強者の面影は何処(いずこ)やら、家族や護衛の者に取巻かれ車椅子に坐ったモンタナロは、既に老衰で碌に口も利けない惨めな御老体で、先ず空港より市内のアドベンチスタ病院へ向かった。

 然し、無数のストロエスネル反対派分子や政敵の容赦ない過酷な弾圧下に犯された非情な拷問、又は闇から闇へと葬られた残虐な政治暗殺の罪は人権上でも決して時効になるものではなく、依然として 未だにモンタナロが負う幾多の刑事訴訟や逮捕状は健在(有効)である。依って政府当局はアドベンチスタ病院からリゴベルト・カバリェロ警察病院にモンタナロの身柄を移せしめ入院拘束した。そして、同病院の 周辺街頭には昔モンタナロの徹底した迫害に遭った犠牲者や遺族達の激昂した群衆が早速モンタナロの排撃デモに参集した。其の筆頭には夫人を牢獄で亡くし自身も迫害に遭った、オルティナティブ・ノーベル受賞者のマルティン・アルマダ人権活動家の姿も見えた。

 而して、モンタナロ(87)の健康事情は閉塞性動脈硬化症、パーキンソン病、老人性痴呆、精神  錯乱(せん妄)、高血圧、腰椎骨折後遺症等々で、意識も間接的にしかハッキリしない有様では、裁判の訊問やタクンブ刑務所に入獄させる事も出来ないと言う、司法府及び検事局夫々の公医の診断であり、且つ各種脳髄X光線等に依る精神状態の検査結果を待って、被告の裁判処置を今後如何に講じるかを 決める可きであると云う意見である。

 因みに、今回のモンタナロの思わぬ帰国には政府当局も不意を打たれた形で、旅券の有効期限も切れた亡命者を予告も無しにパラグアイ本国へ戻したホンジュラス国に対しエクトル・ラコグナタ新外相は 厳重に抗議した。然し、ホンジュラス外務当局筋は(6日現在)パラグアイより未だ件の抗議公文書は受けておらず、且つモンタナロ氏は本国へ何時でも戻るのは自由で、又ホンジュラス政府はモンタナロ氏の出国を 特にパラグアイ政府に対し事前に通牒する義務もなかったと説明している。

 なお、野党に廻った赤党コロラド幹事会のフリオ・セサル・ベラスケス政務書記長(前政権時代の 元厚生大臣)は、此の度のサビノ・A・モンタナロ元内相の帰国を事前にフェルナンド・ルーゴ大統領が知っていなかった訳はないと語った。同じく、ディオヘネス・マルティネス元外相(赤党元参議員)も現政権の何らかの保護を約されたがこそ国際逮捕令状が出ているに拘わらずモンタナロは今回の帰国に踏み切ったのであり、ルーゴ大統領が此の事を知っていなかった筈はないと云う意見である。

 最近の、(未だ大事に至らず幸いだったが)、先ず司法府(最高裁判所)に於ける仕掛爆弾に始まりIPS・社会保障局、国警鑑識局及び市内ミニ中心街の店舗や給油所の複数未遂時限爆弾事件の騒ぎは、モンタナロ帰国問題と相俟って、例のルーゴの隠し子スキャンダルを世論の目玉から逸らす為の一連の政策的“モンタージュ”に他ならないと言う専らの評判で、或いは案外此の説が本当なのかも知れない。

 処が、モンタナロの人権迫害の責任に対する多くの被害者の怨恨は根強いものがあり、ルーゴ大統領は此れ等の人々の心情を利用し、迫害被害者の闇埋葬地の所在を明らかにする様にモンタナロに呼び掛ける記者会見等を行ったりして遺族の共感を呼んでいる。随分ルーゴも“政治家”になったものだが、元司教大統領の複数に及ぶ女性問題が明るみ出て、世界の良い物笑いとなり此れ迄に無くパラグアイの名が一躍有名になったと云うのでは、善良な国民は全く遣り切れない気持ちなのである。





ランキングに登録しました。
良かったら、クリックして下さい。


theme : パラグアイ
genre : 海外情報

tag : 2009年5月15日号

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

Nikkei Journal

Author:Nikkei Journal


日系ジャーナル
南米・パラグアイで1980年に創刊されたパラグアイ唯一の日本語新聞社です。毎月2回、15日と30日に発行しています。
(国内・日系社会ニュース。コラム、連載記事、読者欄。)



お問い合わせ先:
Choferes del Chaco esq/ Jose Marti 1791
Asuncion - Paraguay
Tel:(595-21) 600 391

「酒とバラのパラグアイな日々」
”南米のジャーナリスト・ミチオ高倉が読み解く日本と世界”のブログもご一緒にどうぞ。
http://saketobara.blog50.fc2.com


海外にも日系ジャーナル紙をお届け致します。
購読/広告をご希望の方は電話/メールフォームにてお気軽にお問い合わせ下さい。

カテゴリー
Amazon
最近の記事
月別アーカイブ
FC2カウンター
Welcome
パラグアイ時間

Asuncion

リンク
人気ブログランキング


にほんブログ村 海外生活ブログ 中南米情報へ

にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ
ブログ内検索
ブロとも一覧

■ ブログ名:酒とバラのパラグアイな日々

■ ブログ名:パラグアイの旅行社・トラベルトピア
アスンシオン衛星写真表示
パラグアイの首都アスンシオンの衛星写真です。 プラスでズームアップ、マイナスでズームアウト、矢印で移動出来ます。
タグ

休憩室 パラグアイ フェルナンド・ルーゴ 2009年5月31日号 2009年新年号 2008年8月15日号 2008年8月31日号 政治 2008年5月31日号 2008年9月30日号 2008年10月15日号 2008年6月15日号 2008年10月31日号 2008年7月31日号 2008年7月15日号 2009年3月15日号 2009年4月15日号 2009年5月15日号 2008年5月15日号 2008年4月30日号 2008年4月15日号 2008年6月30日号 2008年9月15日号 2009年2月15日号 2008年11月30日号 2008年11月15日号 2008年3月31日号 2009年4月30日号 2009年3月31日号 2009年2月28日号 2008年12月31日号 2008年12月15日号 経済 原油高騰 ステビア 中国 2008年新年号 2008年2月29日号 ウルグアイ 2008年1月31日号 ブランカ・オベラル イグアス ブラジル 2008年2月15日号 年頭の言葉 オイスカ 2008年3月15日号 電気料金 国際NGO 日系社会 イタイプ発電所 北京五輪 ミチオ高倉 海外食糧生産基金設立基本構想 適正価格の要求 海外食糧生産危機 草の根・ラプラタ流域再開発研究会 大豆 パラグアイ大統領選 天然ガス ウラン 金鉱 石油 カスティグリオニ 日本の食料自給率 ストロエスネル サブプライムショック 自然と共生する生き方 女性政権 殺人ギョーザ アメリカ 持続可能な発展 もったいない 移住者 南米 イタイプ・ダム公団問題 パラグアイ徳洲会医療福祉財団 EU  教育 メルコスール マキラドーラ アディダス製品をパラグアイで製造開始 地震 ブログの移転 パラグアイ産牛肉 サイフケータイ 骨無し牛肉/世界輸出国上位20国 大豆生産国/世界ランキング 大統領就任式 ダイヤモンド発見 2008年2月28日号 ジャトロファ ノーベル経済学者 成人式 食糧危機は歴史的チャンス ブラジル100周年 皇太子 次期政権 世界の食糧提供国 ハブ空港 ドル安 大統領選 大統領選挙2008 厳しくなった車検制度 日本がコワレル~ フリーメーソン 大統領候補暗殺 食糧安保体制 黄熱病 解放の神学 貧農対策 IPhone 商工省 小規模製造業向け工業団地のメリット バイオガス 携帯 大統領選結果 2009年6月15日号 大統領選挙結果 宗教者ルーゴ新大統領 ハイテク製品組み立て 

天気
RSSフィード
最近のコメント
最近のトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。