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2009-01-15

ステビアの年




 「時事斜断」  
                                        坂本 邦雄


 年明けの当地の新聞を見ていたら、“此の2009年は吾が国の将来にとって決定的な年になるであろう”と言う記事を読んだ。つまりルーゴ政権の生命が問われる正念場の年だと言う訳だ。然し、縁起でもない此の辺の事は占師にでも任せるとして、此処は新年に相応しいもっと景気が良い話しを選びたいものと考えを回らしていたら、今迄になく近頃クローズアップされて来た“神秘の植物”と言われるステビア草に関する朗報が思い浮んだ。

 吾がパラグアイ原産のステビア草については、一度本紙07年06月15日号の此のコラムで触れたが、 今年は其の“カアヘエ原産権”の高揚に「ステビアの年」たる事を願いたいものである。一概にステビアと言っても此のキク科に属する多年草は知られているだけでも世界各地で154種類もあるそうだが、何故かパラグアイに自生するカアヘエだけが抜きんだ甘味を有するので有名である。そして、ステビア草は亜熱帯だけでなく比較的寒い土地でも楽に育つ強い植物なのである。其の学名Stevia Rebaudiana Bertoniの由来は先にも述べたので省略するが、甘味料其の他の用途については此れ迄のポシティブな研究結果にも拘らず食品安全性の問題でアメリカ当たりでは限られた薬用以外にステビアの使用を認められていなかった為に、本格的な商品化が伸び悩んでいた。

 然る処、昨年7半ばになってJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)がレバウディオサイド(Reb-A)とも呼ばれるステビオサイド(カアヘエの元素)を正式に食品添加物として認めた事に依り、局面は俄然一変した。そして、先ず多国籍企業のコカコーラやペプシコーラがステビアを甘味添加剤に使ったソフトドリンクの生産に乗り出す事を発表したのは大きな成果であった。此れに至るには8年の長い年月を要した。而して、此れに追い駆けての話しでもなかろうが昨年末にFDA・アメリカ食品医薬局はGRAS・安全食品表示ステータス中に純度95%以上のレバウディオサイド(Reb-A)を正式に含める事を決定したのである。

 ステビアの市場として最も重要視されるアメリカでカアヘエの食用が認められた事は、即ち世界的にステビアが食品添加物としての販路が広く開かれたのみならず、ステビアの研究が進んでいる日本の専門機関の資料に依れば、“食生活と健康を救う”有機健康食品生産の為にステビアは色んな農業、畜産、養殖用資材に使えて、ステビオサイドの用途は無限である。

 現在ステビアの最も大きな市場は日本と韓国である。そして、ステビア製品の主な生産国はブラジル、 パラグアイ、ウルグアイ、イスラエル、タイ、マレーシア、中国及びインド等である。従来の砂糖や化学甘味料に代わるステビアはカロリーゼロの天然有機甘味料として人体の健康に良い特質が珍重されるのである。而して多くの専門家の共通したコメントでは今回のFDA・アメリカ食品医薬局の“GRAS認可”に拠り、今の処は年間約6千万ドルと推定されるステビアの需要は今後は三倍にも増える可能性があると云う話しである。なお、パラグアイに於けるステビア集約栽培の先覚者、故ルイス・エンリケ・デガスペリ氏の遺業に触れるならば、同氏の開発した栽培法は未だに他の追随を許さないものである。此のルイス氏は筆者の知己で法曹界の権威グスタボ・デガスペリ弁護士の兄だった人で、古くからステビアの商品化の研究に熱心で、其の効率的企業栽培の開発に取り組んでいた。同氏は1962年以来コンセプシオン県オルケタ郡に於いて、定植地に直接種のバラ蒔き方法に依るステビアの集約栽培を成功させたのである。

 此の為には事前に1960年に遠征隊を組み、ルイス氏はオルケタの農場より160キロ離れた当時のアマンバイ県の原住民用保留地内のクァティア山に至り、自生カアヘエの優良品種1.000本を採取しトラックで持ち帰った。そして、其の採種量を増やし独自のステビア定植地に於ける直播バラ蒔き集約栽培法を編み出したのである。

 MAG・農牧省のカアクペ農事試験場の専門技師連もステビア栽培の改良に努めているが、苗の移植方法に拠るもので中々ヘクタール当たりの収穫量が上がらず精々2.500キロ程度で、同じく韓国のKOIKAがイビクイ郡のMAG農業研究センターで行っている試験栽培の成績も余り芳しくない。然し、原始的かも知れないが故ルイス・エンリケ・デガスペリ氏が、カアヘエの原生原理から考案した直播バラ蒔き集約栽培法はヘクタール当り優に5.000キロの収穫を誇り、未だに如何なる他の栽培方法にも勝っているのである。同氏は此の度のアメリカ市場でのステビア開放の朗報を待たずに数年前に亡くなった。ステビア先駆者のご冥福を祈る。 





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