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2008-03-31

なかなか離陸出来ないブランカ候補




 「時事斜断」
                            坂本邦雄


来る4月20日の大統領総選挙が間近に迫っている処、各政党政派の立候補者は夫々全国に亘り選挙運動を活発に展開し互いに火花を散らしている。現下の形勢は、新聞紙上等の世論調査の傾向を見る限りでは、最も優勢なのは1-APC(愛国改造同盟)のフェルナンド・ルーゴ元司教、2-UNACE党のリノ・オビエド旧将軍、3-(赤)ブランカ・オベラル前文部文化相、及びずっと落ちて④愛国党のペドロ・ファヅール氏と云った順の人気であるが、最近は大分ブランカ女史が特にアスンシオン市や 首都圏の他にセントラル県で盛り返し、2位に進んでいる様子である。

然し、問題は昨年12月16日の赤党公認次期大統領候補指名レースでは勝敗がハッキリせず、対抗馬のルイス・カスティグリオニ前副大統領の抗議で予選のやり直しが同30日に行われ、結局は4020票の差で、ブランカ・オベラル女史が公認候補に決まった経緯は知られる通りである。処が此れでも往生際の悪いカスティグリオニは、ブランカの指名は不正投票に依ったものであると強調して已まず、再三のニカノル・ヅアルテ・フルトス大統領やホセ・アルデレテ赤党総裁其の他の赤党有力者の説得にも拘らず、ペアの副大統領候補ハビエル・サカリアス前エステ市長と共に、ブランカを支持しない姿勢を依然として崩していない。一方で自派(前衛運動)支持者に対しては各自の自主行動(投票)に任すと 公言しているのも辻褄が合わない話しである。現に既にカスティグリオニ派の多くの支持者はブランカ・ オベラル候補に協力する旨の意思表示をしている。

カスティグリオニは予選後、鬱憤を晴らす為か家族連れで暫くアメリカへ外遊し、3月19日に 帰国した。空港には多数の支持者が盛大に出迎えた。此の際にカスティグリオニが如何なる目新しい所信表明をするか皆が関心を抱いていた処だったが、カスティグリオニは「我が“前衛運動・Vanguardia”の支持を求めるなら、ニカノルは庶子の“ブランカ及びサンタクルス”候補ペアに替わり、去る候補者予選で勝った吾が“カスティグリオニ&サカリアス”の正副大統領候補ペアに対し、先ずその正当なる勝利を返還しなければ話しは始まらない。何故なら我が“前衛運動”が赤党を率い、一致して来る4月20日の総選挙戦に臨むならば

ルーゴやオビエドを大きく引き離し、快勝するのは疑い無いからである。
それが引き続き赤党の政権維持を守り得る唯一の道である」と壮語して、ニカノル・ヅアルテ・フルトス大統領に「最後通牒」を突き付けた。

かって故ストロエスネルが残した言葉に、「一赤党員の一番の良友はもう一人の赤党員である」と言うのがあり、赤党は従来党内で不和が生じても、一旦緩急時には大同団結する伝統を誇るが、今回は大分しこりが根強い様である。なお、青党リベラルなど野党各派は“お家騒動”で焦る赤党コロラドは、総選挙予定日(4月20日)の延期を工作している動きがあると非難したが、ブランカ・オベラル女史はその様な事実は全く無く、総選挙は予定通り行われ赤党は必ず勝利を収める決意であると反論した。
ニカノル大統領も、「何時も乍らの野党各派の出鱈目な憶測に過ぎない。野党側が望むなら今日にでも総選挙を行うのに異存はなく、カスティグリオニ派の支持が有る無しに拘らず、吾が赤党は絶対に勝って見せる」と、自信の程を示した。然し、何時までも駄々を捏ねるルイス・カスティグリオニに手を焼く赤党は今一つ纏まりが悪く、“ブランカ機のエンジン”が全開できずに離陸に手間取っているのも事実である。

此の様な処、目下優位にある対立候補フェルナンド・ルーゴ元司教及びリノ・オビエド旧将軍は、全国各地で両人とも盛んな選挙運動を着々と進めていて、テレビ等で見ても党員や支持者集会で中々良い威勢を示している。なお、去る2月11日(火)夜21:00時よりパラグアイ牧畜協会(ARP)の主催で開催された初めての公開パネルにブランカ女史(赤党)、オビエド旧将軍(UNACE党)、ルーゴ元司教(愛国改造同盟・APC)、及び愛国党(PPQ)のファヅール党主の各大統領候補者四人が揃って 参加し、会場を満たした約500名の聴衆を前にして、各候補者の施政方針の開陳があった後、質疑応答に移ったが、其の内容は大略して個人資産の保証、家畜窃盗の徹底取締り、治安の改善、法秩序の抜本的改革、イタイプ(伯)及びジャシレタ(亜)各二国制企業水力発電所の国際協定の不公平矯正の交渉、貧困削減の為の小零細農家組合組織化の達成、農地改革、民間資本の参画に依る公共協調 事業の促進活性化等々、各人各色の所信表明を行った。

無論ブランカ以外の各候補は現政府の無為無策を鋭く攻撃した。此の政治討論会はマリアノ・ロケ・アロンソ市所在のAPR(牧畜協会)の大講堂で、テレビジョン・テレフツロのオスカル・アコスタ司会者のガイドで進行し、生番組で放映されたものだが特に目立った政策改革案は認められなかった。然し、此処で一寸触れたいのはルーゴ候補の人気の一つの理由は不公平なイタイプ協定の見直しを図ってパラグアイ念願の正当な“エネルギー主権”の問題解決を唱え、ブラジル側が同協定は2023年まで改訂出来ないと云う規定に固執し、吾が国の要求に応じない場合はヘーグの国際司法裁判所に訴えると、強気のキャンペーンが民衆に受けている事に依る。  
詰まり、此のルーゴの主張が通れば、現在パラグアイがローヤルティ及び補整金の名目で得ている年間金額は国内総生産(GDP)の精々4%相当の3億7, 500万ドルに過ぎないものが、ブラジルへの売電が 市場時価で仕切れる様になると、約1兆8千億ドルに飛躍すると云う訳である。ブラジルでルーゴは既に頭痛の種になっていて政府やマスメディアも、イタマラティ(外務省)の大きな外交問題に成り兼ねないと云う意見で一致している。

なお、カスティグリオニ問題に関しては赤党内の有識者又は党員の間でも批判があり、元参議員で元外相のディオヘネス・マルティーネス氏は、カスティグリオニは此れ迄にも何度も 誤ったが、今回は自派正副大統領候補ペアの予選勝利を追認すべし、と迫るのは如何にも大人気のない話であると、テレビのインタビューで語った。そして、同氏は先日、ニカノル・ヅアルテ・フルトス大統領を政庁に訪れ、政界に戻りブランカ陣営の必勝を期す可く、選挙キャンペーンの統率強化に協力を約した。    




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tag : 2008年3月31日号 政治 ブランカ・オベラル フェルナンド・ルーゴ カスティグリオニ

2008-03-31

草の根・ラプラタ流域再開発研究会 発足




「草の根・ラプラタ流域再開発研究会」国際NGOとして発足
海外食糧生産基金基本構想を提言


 「草の根・ラプラタ流域再開発研究会」の第4回総会がウルグアイのモンテビデオ市の在ウルグアイ日本国大使館大使公邸で3月25日午後6時から竹元正美大使出席の下、開催された。総会は佐藤駒雄議長(在亜山形県人会会長)の議事進行で行われ、来賓挨拶の中で竹元大使は「素晴らしい、目的を持つこの研究会の事業に側面的に出来る限りの協力をしたい」と祝意を述べた。

 ついで3カ国の活動状況が各国代表から報告された後、本研究会を3カ国にまたがる国際NGOとして新たに発足させるため定款の審議が行われ、会長にミチオ高倉オイスカ・パラグアイ総局会長が選任された。画期的な国際NGOシンクタンクとしてスタートすることになった同研究会の主要プロジェクトとして三上隆仁オイスカ・ウルグアイ総局国際理事が発案した「海外食糧生産基金基本構想の提言」について同氏から概要説明が行われた。

 同構想の主目的は、日本に対する健康食品の供給及びラプラタ流域の貧困削減と環境改善を上げているが、将来の日本の食糧危機をも視野にいれており内外の関係各機関に同構想実現に向けて働きかけていくことになった。尚、総会終了後、同サロンで大使館主催の和やかな夕食会が催された。


◎役員
会  長   ミチオ高倉(オイスカ・パラグアイ総局会長)
第1副会長  佐藤駒雄(在亜山形県人会会長)
第2副会長  マニュエル ウダンガリン(日本からの適正技術導入農牧演習場会長)
第3副会長  梶田 煕(ひろみ)(京都府立大学名誉教授)

総会出席者
日本大使館:竹元大使、後藤参事官、櫻井一等書記官、石井三等書記官、森職員、池田職員。
アルゼンチン:佐藤駒雄(在亜山形県人会会長)、小倉綾子(佐藤駒雄夫人)、多和田眞昭(在亜沖縄県人会会長)、高木一臣(ラプラタ報知主幹)
パラグアイ:ミチオ高倉(オイスカパラグアイ総局会長)、久岡寛(オイスカラグアイ総局理事)
ウルグアイ:Jorge Soler(オイスカウルグアイ会長)、Manuel Udangarin(日本からの適正技術導入農牧演習場会長)、Fatima Rodriguez(同演習場試験担当)、
三上隆仁(同演習場副会長)、Elena Balachir、Fernando Stotz(同演習場事務局長)、Edith Armanetti(同演習場顧問)、太田貞明(同左・林業)、宇田川正夫(同左・農業)、福原金司(オイスカウルグアイ専門家)、Emilio大野(同左)、林武夫(同左)、Felipe飯原(同左)、森山里美(同左)、引地恵子(同左)、Ulises後藤(同左)、鈴木盛博(同左)、福原金吾(同左)。


国際NGO
 

「海外食糧生産基金設立基本構想の提言」
I、目的:
1-日本に対する健康食品の供給
2-ラプラタ流域の貧困削減と環境改善

 原油高騰により世界の食糧危機が現実の危機として浮上してきた中、日本の食糧自給率が40%以下という事もあり、日本と気候の類似しているラプラタ流域に日本の輸出総額の1万分の1を海外食糧生産基金として積み立て、日本で開発された有用微生物(EM)有機農法によるによる日本人農家(農牧混合経営・1000ha)を可能な限り設立し、これを中心として周辺農家を組織下し、農薬、化学肥料を最小限にした健康食品を生産することにより、日本のみならず世界の食糧需給に寄与するとともにラプラタ流域の雇用を促進し、貧困の減少と環境の改善に貢献することを目的とする。

II、海外食糧生産基金:
1-国際銀行内に海外食糧生産基金を設ける
2-同基金は農林水産省から出向する理事が担当する。
3-モンテビデオ市にEM技術研究所を設置し、日本農家の技術ならびに経営の指導を行う(米州開発銀行IDBの日本特別基金の資金を得て目下、進行中)

III、基金の積み立て
 日本の輸出総額の1万分の1を充当(因に04年は5650億$なので約62億$)
 国際協力銀行に海外食糧生産基金古座を設け、外為銀行に入ったL/Cの1万分の1を自動的に同口座に替える。

IV-基金の運用
i、研修
1-将来、日本人農家となることを希望する日本の大学農学部学生を各大学が同基金に推薦する。
2- 同基金に推薦された大学生の中から当初、年間5名の研修生を選考する。人数は徐々に増やす。
3- 同基金は研修生がモンテビデオ市にあるEM技術研究所とソリアニ県エガニア町にある「日本からの適正技術導入農牧演習場においてEM技術ならびに大規模農牧業の研修を2年間行う。
4-研修費 1万$/人・年×5人×2年=100万$

ii、農場設立と生活
1-同基金は当初の研修終了者5名に対して、下記の資金を無利子で貸し付け、5年据え置き、20年で返済する。
1000haの土地購入代金:1000ha×2500 
              $=250万$
    農機具購入代金:50万$
       営農資金:50万$
        合計=350万$
2-農牧混合経営とする。
3-日本農家は周辺の現地農家を組織下し、EM有機農法による生産を行わせる。

iii、生産物の販売
1-同基金はアルゼンチン国ブエノスアイレス市に支店を有する日本商社に日本農家ならびに現地農家の生産物を販売する。
2-販売先は日本ならびにその他の国とする。

iv、備蓄
同基金は将来の異変に対処するため、適当な量の生産物を備蓄する。





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tag : 2008年3月31日号 海外食糧生産危機 草の根・ラプラタ流域再開発研究会 海外食糧生産基金設立基本構想 ミチオ高倉 国際NGO ウルグアイ

2008-03-15

休憩室ー2008年3月15日号




すっかり秋めいてきた。秋といえば思い浮かぶのが
“おわら風の盆”立春から数えて110日にあたる頃に催され、
風鎮めと豊作を祈る踊りだ。哀調を帯びた旋律が夏の終りを知らせる。
笠を深くかぶって顔が良く見えない舞姿が何とも情感をそそる。

▼風が心地よいカフェテラスでパラパラと雑誌を見ていたら
 ゲゲッ仰天!
「あなたは家族に殺される!」
という扇情的な見出しが目に入った。

ナ、ナント!2件に1件近くは親族が被害者となっている、
という。これはパラグアイの事ではない。
日本の警察庁によると殺人・殺人未遂事件の内、
被害者が親族となった事件は、平成9年以降、
急速に増えはじめ、平成19年には47、8%に拡大した、
という。
まさに、オオ、ニッポンよ…!!

同誌によると、「明治40(1907)年に制定された刑法は、
200条で、通常の殺人罪に加えて、
尊属殺を犯したものに対して重罰を課すと規定していた
(尊属殺人罪)。自己または配偶者の直系尊属を殺害した
場合には死刑または無期懲役とし、
普通の殺人罪(死刑、無期懲役、3年以上の懲役)
より重く罰していた。ところが、戦後民主主義による
価値観の転換により、この規定が家父長制度の遺風であり、
民主的でないと指摘されるようになり、昭和48年4月、
最高裁は刑法200条が憲法14条で規定された
『法の下の平等』に違反し違法であるとの憲法判断を示した。

(中略)ついに平成7年、制定以来88年ぶりに刑法を
大幅改正し、尊属加重規定が削除されるに至った。

併せて『尊属傷害致死罪』『尊属保護責任者遺棄罪』
『尊属逮捕監禁罪』も削除された。親族殺人の増加ペースが
加速するのは、まさにこれ以降だ」(月刊日本・3月号)。

夫婦で遊びたいからと保育園に子供を預ける親、自動虐待、
家庭内暴力、少子化等々…。

家族といえば国家の根幹である。
日本がコワレル~ッ⁉

それに比し、パラグアイ人家族の仲睦まじきことよ。
何よりお年寄りを大切にする有様は実に微笑ましい。




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tag : 2008年3月15日号 休憩室 日本がコワレル~

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