2008-02-15

休憩室ー2008年2月15日号




男女の愛の誓いの日とされるバレンタインデーは洋菓子屋のインボーだぁ~ーと目くじら立てるのも大人げないが、お見事、パチパチ!

考えてみれば商業分野に限らず総てモノゴトには何らかの思惑が秘められている。しかし、事が国レベルとなると由々しき事態である。先の福田総理の訪中時、中国は前例のない様な歓待振りを示した。ご存知のように福田総理は「相手の嫌がることはしない」として靖国神社参拝もしない、と明言したほどの親中派として知られているのだが、中国は大歓待することによって尚一層、反中的な言動を取り辛い状況に追い込んだ。更にその上、中国海軍は建国以来58年振りの駆逐艦「深せん」で日本を軍事訪問した。

「月刊中国」誌によれば、これは1990年代のロシア海軍のボロ船だという。中国が昨年12月、台湾近海で示威的な海・空軍による軍事演習の際に集結した軍艦はロシアやオーストラリアから2000年以降に購入した最新型だという。つまり、ボロ船を日本訪問させたのは「中国軍の海軍力はこの程度か」と過小評価させる作戦だったのではないか、とみている。

昨今、中国内で物価の高騰が続いており豚肉(56%)やガソリン価格(80%以上)が値上がりしているが、これは中国軍が戦争準備のため備蓄量を急激に増やしているためだという。12月25日の猫眼ネットによれば、昨年9月まで韓国企業は1950社進出していたが、急に撤退を始めたという。珠江三角州にある7万社の香港企業も20%以上が撤退し始めたそうだ。

同誌によれば、中国軍60万人が台湾海峡で4万人の守備隊しかいない大陸直近の金門島、馬祖島を一気に2週間以内に攻略する作戦だという。

米国は台湾と台湾関係法(TRA)を締結しているが、両島はその保護範囲に入らないという。

つまり、日米共々、この軍事衝突は「対岸の火事」として黙認してほしい、との狙いが込められているというのだが、ハテ…?



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tag : 2008年2月15日号 休憩室 中国

2008-02-15

時事斜断 「サンブラスの輝かしい夜明け」




                     坂本邦雄

2月3日はパラグアイの鎮守神サンブラス(San Blas)
の聖日である。その前の2日はカンデラリアの聖燭節
(Candelaria/聖母マリアが受胎告知を受けた2月2日)で、
カトリック教会は恒例の各礼拝ミサを行うのが習わしである。

然し、パラグアイ近代史に刻まれた1989年の2月2日の
夕刻から 翌3日の早暁にかけては、当時パラグアイで何人すら
思いもよらぬ大事件が起きたのである。
つまり、約35年間も非道な原始的圧制政治の下に、
国民を長らく悩ませた思想的にも時代遅れのストロエスネル政権が、
お互いの息子・娘夫婦の親同士(Consuegros)の関係だった
アンドレス・ロドリゲス騎兵中将の率いる反乱軍の決起に依って
意外に脆くも崩壊したのであった。

絶対権力を一身に集めたアルフレド・ストロエスネル大統領に
しては実にアッケない結末では あったが、
この蜂起が長期の内乱にまで発展しなかったのは幸いであった。
それと言うのも、クーデターの舞台となった大統領親衛連隊の
兵隊達の多くが、恰(あたか)も前述の宗教祭の休みに非番で
外出していた処を狙ってチャコ(セリート基地)の
騎兵機械化部隊が出動して襲った為であるが、
それでも200人とも300人以上とも云われる将兵が
(ついぞ公式な発表は無かったが)、激しい銃撃戦で死傷した。
急を知って親衛連隊内の参謀本部に長男グスタボその他と
共に避難したストロエスネル大統領は、そこで戦闘服に
重武装した決死のリノ・オビエド大佐(当時)に降伏を求められ、
最初は一度自宅へ戻り、後はその足で騎兵連隊へ
行くことを望んだが、実際はアンドレス・ロドリゲス将軍が
反乱軍の指揮を執る第一軍団司令部に保護され、
そこで初めてストロエスネルは完全に実権を失った真相を思い知り、   
ロドリゲスの面前で大統領辞任状にサインした。

かくして、ロドリゲス将軍は2月3日早暁、決起軍が放送を
許していた唯一の「ラジオ・プリメロ・デ・マルソ放送局」を
介して、ストロエスネル打倒クーデターの目的を成功裡に
成就した声明を内外に宣言したのであった。

こうして、重苦しくて息が詰まりそうに感じていた
長期独裁政権の悪夢から醒めた多くの国民は、
「サンブラスの輝かしい夜明け」を迎えて、
正に何十年振りかで自由の空気を思う存分に
胸一杯吸い込んだのであった。

パラグアイ国を我が封土の如く思うに任せ、
強権を欲しい儘にして長期に亘り治めて来た
ストロエスネルにして見れば、“飼い犬に手を噛まれた”
思いで甚だ無念の極みだったろうと察せられる。

第一軍団司令部で抑留中、最初ロドリゲスは近隣国では
後々が面倒なので、第一案としてアメリカのマイアミを
亡命先に充てる考えだったらしいが、ストロエスネルは
“イングリッシュが出来ない余を英語圏に
追いやって如何(どう)する積もりだ”と反対したので、
結局は昔からストロエスネルと関係の深かったブラジルが    
選ばれ、クーデターの2日後の5日午後3時半には、
旧パラグアイ航空LAPの特別機でブラジルへ追放された。

磐石の政権の座から滑り落ちた為政者の哀れな末路である。
思うに功罪相半ばするストロエスネル政権ではあったが、
一番の問題はその専横政治の“民衆暗愚化”の下で有意の
後継人材が育たなかった、又は“出る杭は打たれた”事である。
その余りにも長すぎた独裁政権が残した後遺症の影は、
ストロエスネル失脚後のロドリゲス、ワスモシ、クバス、    
ゴンサレス・マキや現ニカノル・フルトスの各歴代政府の
代になっても未だに完全には拭い切れず、惰性的に民主政体へ
移行の“試行錯誤”を続けているのである。

かっては飛ぶ鳥も落とす勢いを誇ったストロエスネル政権が
崩壊してから既に19年の歳月が流れた。
伯国ブラジリア市で長男グスタボ元空軍大佐に付き添われ、
寂しい亡命生活を送っていたストロエスネルは、
夫人ドーニャ・エリヒアの葬儀の際にも帰国は許されず、
一度もパラグアイの地を再び踏む事はなく、
ついに2006年8月16日に老衰で94歳の生涯を終えた。

革命政府の初代大統領を務めたアンドレス・ロドリゲス将軍
(大将に昇進)も、アメリカで1997年に結腸癌の手術の
経過が悪くて死亡した。享年74歳だった。
(一説には、CIAやFBIからパラグアイ麻薬カルテルや密輸団の
首領と睨まれていた為に体よく始末されたものとも云われている)。

今年は閏年(うるうどし)で、パラグアイ新時代の
「輝かしい幕明け」より19年目に当たる。
物識りに依ると過去毎閏年には珍しい事が多く起こっていると云う。
干支では子年で中国の人達は縁起が良いと云う。
となれば来る4月20日の全国総選挙戦では新進の最も信望に
値する次期大統領が選ばれ、8月15日に予定の政権交代では、
これ迄にポスト・ストロエスネルの歴代政府が完遂出来なかった   
懸案の政体改革を、今度こそは成し遂げ得る新民主政権の誕生を
是非とも望みたいものである。




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tag : 2008年2月15日号 政治 ストロエスネル パラグアイ

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