2008-04-30

ブラジル政府、経済支援と引き換えにイタイプ公団問題に蓋か?




次期副大統領のフェデリコ・フランコ氏は29日(火)、ブラジルを訪れてアレンカル副大統領およびアモリン外相と会談し、イタイプ公団に関する意見交換を行った。
ブラジル側はイタイプ公団の条約改定問題には慎重な姿勢を示しており、この件についての話し合いを極力避けているかのように見受けられる、とフランコ氏が会談後明らかにした。
しかし、最近までイタイプ公団の条約改定についての話し合いはタブー視されていたことを考えると、双方に問題解決のための歩み寄りがスタートしたと考えられる。
次期大統領のルゴ氏はイタイプ公団におけるブラジル側への電力売却で2国間条約の改定による適正な価格設定を要求することを公約に掲げており、次期政権でのパラグアイ政府の立場を明確にブラジル側へフランコ氏が伝えた。一方、アモリン外相はパラグアイの経済発展を促進するためブラジル政府は技術的および経済的支援を惜しまない考えを伝えた。
 
適正価格の要求
イタイプ公団には18の発電タービンがあり、その半分がパラグアイ側に帰属するが、パラグアイの電力需要は1基で間に合うため、余剰電力は全てブラジルに売却されている。ルゴ氏はパラグアイがブラジルへ譲渡している余剰電力に支払われている価格は“雀の涙”程度である、と非難しておりイタイプ公団の2国間条約の改定をブラジル側に迫っていく見通しである。

民間業者、商工省の分割を提案
CIP(パラグアイ輸入業者センター)の役員改選を控えたマックス・ハベル会長は28日(月)、次期政権にはMIC(商工省)を分割し、新たに商業省と工業省の設立を提案していく考えを明らかにした。また、密輸および違法コピー対策の強化も同時に求めていくとした。
ハベル会長は商業が国内経済の重要な役割を果たしており、今後更なる発展を目指していくためにも商業省の設立は必要不可欠であることを強調した。
密輸および違法コピー商品対策には税関、国境のみでの取り締まりにとどまらず、それらの商品が多く取引されている露店や闇市などの摘発を積極的に行っていく事が重要である、と述べた。
公共機関の改革にも触れて、ANNP(湾岸局)は各貿易企業の公平な競争を促すためにも同機関の運営には民間から優秀な人材をもっと多く導入すべきであると提言した。

中国との関係
中国の著しい発展をもはや無視することは出来ない段階に入っており、同国と国交を結ぶことはパラグアイにとって大きなメリットになるであろう、との考えをハベル会長が明らかにし、次期政権には中国市場を視野に入れた経済政策を期待したい、と述べた。




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tag : 2008年4月30日号 イタイプ・ダム公団問題 適正価格の要求 パラグアイ ブラジル

2008-04-30

ブラジル政府はイタイプ発電所についての契約の見直しはしないと断言




ブラジルの外務大臣は22日、新しく選ばれたパラグアイのルゴ大統領選とイタイプ発電所の電気料金について話し合う意向があると述べたが、契約の再見直しは、一切ないと語った。

イタイプ発電所はパラグアイとブラジルで1973年4月26日に契約を締結した。契約は4人の協議で結ばれたが、その中にはパラグアイの経済学者が一人も含まれずに合意された。合意された数ヶ月後にやっと、イタイプ発電所のパラグアイへの経済的波及効果が分析された。当時のパラグアイ政府は全く自国民のことを考えていなかった。

契約の変更/見直しは両国が同意しない限り2023年にしか変更できないことが条約に盛り込まれている。

ブラジルのルラ大統領も両国が合意した条約を遵守しなければならないと、繰り返している。しかし、ブラジルは、過去に何度も条約の変更を行っている事実がある。例として1986年にイタイプの電気料金を“ブラジル経済を支援するため”として14・75ドルから10ドル=キロワット/月に下げる変更をした。  
ブラジルは何度も自国に都合の良い変更をし、条約を守ってこなかったが、パラグアイが妥当な変更を求めるとブラジル側は“条約は守らなければならない”と頑強に主張する。
ルラ大統領は大統領選挙が終わってルゴが当選した翌日、21日、滞在中のアフリカから条約更新はないことを再度繰り返した。

1973年に両国が合意した条約には、イタイプ発電所が発電するエネルギーの50%をパラグアイ、50%をブラジルの権利としている。2007年にイタイプ発電所が発電した電力は90,322,800MWhである。半分の45,161,400MWhがパラグアイ、45,161,400MWhがブラジルのものである。

しかし、パラグアイは7,570,300MWhしか使用していないため、残りの37,591,100MWhをブラジル側に提供する義務がある。 条約にも “余った電力は相手国に売らなければならない”と書かれている。条約が結ばれた当時、既にパラグアイだけが電力の余りがあることが分かっていてパラグアイに不利な条約が書き込まれた。

ブラジルはパラグアイに45・31ドル/MWhを支払っている。
しかし、イタイプ発電所・ブラジル側総責任者ホルヘ・サメック氏によると、42・5ドルは“イタイプ発電所建設時のパラグアイ側の借金”を支払うために引かれてるため、実際にパラグアイ政府が受け取っている金額はたったの2・81ドルである。パラグアイの借金といわれているが、実際にはブラジルの為に新たに作られた建設費をイタイプ発電所の“水増し借金”にプラスされているため、パラグアイの借金はもっと低い金額である、とルゴ大統領の側近は指摘している。

ブラジルの電気会社Electrobrasはブラジル国内で約80ドル/MWh、アルゼンチンには去年123ドル/MWhで販売していた。

また、ブラジル側総責任者ホルヘ・サメック氏は「ブラジルはしかたなくパラグアイの余った電力を買っている」と述べている。
しかし、Gazeta de Novoのホームページで、ブラジル人記者は「パラナ県ではCopelはこれ以上必要な電力を買いたくても無いため買えず、6%をイタイプ発電所から買っている。もしパラグアイが余った分をアルゼンチンに売ると言い出したら、パラナでは6%が停電になる。これまではパラグアイに有無を言わせず力で押さえ込んできたが、今はもうゴリ押しが出来る時代ではない。ブラジルがパラグアイ国民から搾取しているのは事実であり、最低、今の10倍の値段を払わないといけない」と、とコメントしている。

◆パラグアイが提供している電気料金
 ブラジルがパラグアイに支払っている金額
       13Gs/KWh
(ANDEはパラグアイ利用者に300Gs/KWhで売っている)

 ブラジルの卸売価格
      276Gs/KWh

 パラグアイが卸売価格で売った場合の収入
        22億ドル/年間

 実際にブラジルがパラグアイに支払っている金額
      1億2百万ドル/年間

 ブラジルはパラグアイから年間約20億ドルもの収入を得ている。





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